第2回つどい/吃音児を持つ親の集い(1998年10月)
参加された皆様の感想をご紹介します。
高校生の息子さんとそのお母さん
参加動機
通っている病院の言語治療の先生から紹介され自分と同じような吃音の人と会い、いろいろな話をしてみたいと思ったので参加しました。
演劇「まつり」の感想
自分自身、似た体験をした事があり、共感できる場面もありました。劇の中ではそんなことどうだっていいじゃないか、と苦しんでいる人達に呼びかけていました。僕自身、勇気づけられた気がします。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
いろいろな人が、自分と共感できる吃音の経験や考えをしていたり、吃音でも前向きな人や、吃音で自分がしていなかった経験をしている人や考えを持っている人など、いろいろな人達に出会えて良かったと思った。
当つどいへの要望、感想
毎週金曜日の例会ではどのような事をしているのですか?今度参加してみたいなと思っています。(息子さん)
言友会の事は小学校の時に通っていたことばの教室(大田区志茂田小)の先生から言友会ニュースの記事を見せていただいたりして知っておりました。
小学校を卒業し、中学生になるとことばの教室のようなものも無い状況の中で、それまで本人もあまり気にしてなかった吃音の事も思春期と重なり気にするようになりました。言友会に行ってみようかなという事も、やはり本人の意思がそういう方向に向いた時と親としても考えていた事もありますが、どのように参加すれば良いかという事も分からず、たまたま9月下旬につどいの案内を見て、参加させていただきました。
休憩の時に一人で座っていると話し掛けてくださった方がいたり、会の雰囲気も良かったようで、また参加してみようという気持ちになったようです。宜しくお願いいたします。(お母さん)
中学生の息子さんとそのお母さん
参加動機
たくさんしゃべる機会があったり、お母さんに勧められたので行きました。
演劇「まつり」の感想
吃音を気にしないでやっていたので、僕もなるべく気にしないで、頑張ろうと思います。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
あまりしゃべらなかったのですが、他の人の話を聞いているうちに僕も吃音を気にしないでたくさんの人と話しをしてみたくなりました。
中学生の娘さんとそのお母さん
参加動機
[娘さん]牛久保先生に行ってみたらと言われたから。他に吃る人達とお話をしたかったから。
[お母さん]同じお子さんを持った親御さんとお話したかった事と、子供に同じ立場の人達と会ってお友達になって欲しいと思って参加しました。
演劇「まつり」の感想
[娘さん]いろいろ吃りのところをやっていて見てるこっちが応援したくなる感じだった。
[お母さん]ストーリーがあるお話だと思っていたのですが、ちょっとびっくりしました。とてもつらくて見ていられない時がありました。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
[娘さん]高橋さんの意見も大事だと思うけど、私はどもりを治したいという考えです。10人中10人どもりと友達になれるとは思わないんで絶対どもりを治したいと思ってる人はいると思うから押し付けないで欲しい。高橋さんは間違ってる。
[お母さん]今現在吃りの事でいじめられ学校へ行けなくて悩んでいるお子さんもいるし、恵理子みたいに100%どもりを治したいと思っている子供もいます。その子達に勇気や励ましの言葉がもっと具体的にお話をして欲しかったです。
当つどいへの要望、感想
[娘さん]高橋さんの意見も大事だと思うけど、私はどもりを治したいという考えです。10人中10人どもりと友達になれるとは思わないんで絶対どもりを治したいと思ってる人はいると思うから押し付けないで欲しい。高橋さんは間違ってる。
[お母さん]高校受験が近づいていますので面接の事とか詳しく知りたいと思いますのでお願いいたします。
中学生の息子さんをお持ちのお母さん
演劇「まつり」の感想
自分の息子の日常を見た思いです。
劇の最初、「今日もたくさん吃ってしまった。明日も……、でも死ねわけじゃない。」そうなんですよね。今、中1の息子ですが、電話をかけたり切符を買うのは小学生の頃嫌がりました。少しづつ経験を積んでいくしかないと思います。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
いろいろな意見が聞けて参考になりました。
中学生の男の子、中3の女の子、中2の男の子、それぞれもっともな話でした。「笑われる事が自分の喜び」そう思えるなんて素敵ですね。
当つどいへの要望、感想
一回二回といろいろな話が聞けてうれしいです。あり難うございました。
高校生の娘さんをお持ちのお母さん
参加動機
子供が大変お世話になっているので。さまざまな人の意見を聞きたいと思って。
当つどいへの要望、感想
吃音を自然に受け入れられる、そんな人間関係がとってもいいなと思います。この会が、みんなで共あする気持ちを大事にして欲しいと思います。中学生、高校生のグループができるといいと思います。
小学生の娘さんをお持ちのお母さん
参加動機
去年今年と日本吃音臨床研究会主催の吃音親子サマーキャンプに参加して親子共々同じ悩みを持つ人達との出会いの大切さを知り、東京の方でも親子共々集まれる場があればと思い参加しました。
演劇「まつり」の感想
前半は日常生活の中でそういう事もあるだろうなととても見ていて胸が痛くなりましたが、後半「祭りだ、祭りだ、わっしょいわっしょい!」の掛け声と共に、吃りながらも前向きに頑張っていこうというメッセージが伝わってきて元気な気持ちになれました。
皆さん熱演で思わず劇の中に引き込まれてしまいました。家に帰りましてから、娘に劇の内容を話してあげると、一つ一つ自分の身に覚えがあるのもあるようで真剣に聞いていました。劇の内容が実生活に基づいているもので、これなら小学生の子供でも十分理解できると思いました。
こうすればどもりは治るというものではないので、結局は自分で乗り越えていかなくてはならないんだなと思いました。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
グループディスカッションは吃音児の親のグループに入りました。私以外は中高生の親の方々でしたので、お話を聞いていろいろと参考になりました。
小学生のうちはことばの教室があるが、中学生になるとそういう機関は無いという事で、急に放り出されたような気持ちになるというお話が心に残っています。そういう意味でも是非東京の方でも、成人吃音者の方々も交わっての吃音児、親が交流できる場があればと思います。
言語療法士科学生1
参加動機
劇を見たかったから。友人に言友会を見てもらいたかったから。劇出演者から誘われて。
演劇「まつり」の感想
吃音の方と一緒にいると、どうしても抱えている悩みを忘れてしまって関わってしまうが、改めて吃音の悩みがここまで深刻なのかと感じた。劇の初めはあまりの迫力で演技していたためその気持ちが伝わり悲しくなった。吃音だから友人だねという言葉はなんか分かるような気がした。
私も同じ問題を抱えている人は自分にとって特別だと感じる。苅部さんが演劇を見せるなんて恥ずかしいと言っていたが、今日劇を見てみてその恥ずかしいという感情より劇が好きという感情の方が大きいんだなと感じた。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
一方的な説明ではなく、お互いもう少し分かり合えるようなディスカッションになれば良かった。私がとやかく言うのはまずいのかもしれないが、子供たちの意見は言いにくかったんじゃないかなと感じた。もう少し言いやすい環境を作ってもらいたかった。
言語療法士科学生2
参加動機
友人に誘われて。
演劇「まつり」の感想
吃りの人達の気持ち、吃る場面が良く分かった。面白くわかりやすかった。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
パネルディスカッションでは綾部さんや高橋さんのユーモアを持った生き方というのに感銘を受けた。私自身大きなコンプレックスを持っているので、お話のように受容した生き方ができるようになりたいと思いました。
千葉県ことばの教室教諭
参加動機
千葉言友会の例会に参加し、今回の宣伝があったので参加してみたいと思っていたところ、教室に案内が郵送されたので、思い切って参加しました。
演劇「まつり」の感想
銀行の場面で3千円が3万円になって得をしたという所が一番気楽に笑えました。
もっと得をしたという場面がもう一つくらいあると良かったなと思います(見方を変えたらこんなに良い事もあるよ……というような)。わっしょいの元気な掛け声が印象的でした。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
パネルディスカッションは苦しかったです。心配されているからこそパネラーの方も頑張れ!というメッセージを出されたと思うのですが、頑張るとか、逃げるとか、吃音があっても良いじゃないかと思うようになるのは、本人の気持ちなので、押し付けになるのは苦しいです。
こんな時自分はこうやってきたよ、というお話を聞く中で自分で考え、悩んでいけば良いのではないでしょうか。この会に参加するというだけで、十分勇気を出して来ていると思います。
大田区志茂田小ことばの教室教諭
参加動機
このつどいは2回目の参加です。パンフレットを頂いた時、「まつり」という劇をどのように演じるのかを観たくて参加しました。
演劇「まつり」の感想
劇の中ではレストランでうまくメニューを注文できなかった事、タクシーに乗った時、行き先を告げる事ができずに困った事等のつらい気持ちを「祭囃子」で吹き飛ばそうと演じてはいましたが、実際はつらいだろうなあと感じました。日常生活において「こんな辛さもあるのだ」という事を一人でも多くの人に分かってもらいたいと強く感じた一人です。
私どもの教室では吃音児の指導目標として主に心理面での指導に重点を置き、前向きの姿勢で生活ができるよう援助をしております。学校生活では本人を取り巻く周囲がある程度理解しているため、気持ちを受け入れる事は可能です。が、こと社会人になった時の事を考えるとコミュニケーションの場において、厳しい面があるのだなあと痛感しました。
参加者の中に当教室を2年前に卒業したK君がおり、「自然体で話をするようにしているため、以前と比べ吃音が少なくなった。」の発言は重苦しい会場を明るくしてくれほっとした次第です。
千葉県特殊教育センター教諭
演劇「まつり」の感想
ことばの教室担当者のグループでも出たのですが、最初の李さんの登場がかなり迫真の演技だったので笑えるまでに時間がかかったかなあと思います。あの参加者で、笑えるところまで持っていったところが大きな成果だったのかなあと冗談ではなく、みなさんのお話をうかがいながら、感じました。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
スタッフの方々はパネルの方は、どんな感想をもたれたのでしょうか?
パネル全体は、「3名の吃音者」というところから、徐々にその方々の人柄、個性が出てきて、そのお話の内容に引き込まれていくという感じで、「3名の吃音者」ではなく、おひとりおひとりに感じられていった(それぞれの方の中で「吃音」が前面に見えなくなっていった)体験をすることができました。
ただ、欲を言えば、自分の体験を押しつけるというようなものであってほしくはないように思いました。とことん、ぎりぎりのところまで「対話」であってほしかったと思います。
岩手県紫波郡紫波町立日詰小学校ことばの教室教諭
参加動機
一度例会に参加させていただいた時、御案内があったので。演劇を楽しみにして来ました。
演劇「まつり」の感想
皆さんの表情が明るくてとても素敵でした。演じてらっしゃる方々が楽しそうでした。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
パネルディスカッションとグループディスカッションの区別をしっかりした方が良いと思いました。
山口県立周南養護学校教諭
演劇「まつり」の感想
吃音を笑い飛ばそうという主旨は分かったつもりですが、どうして祭りなのか分からないし、私は見ていて笑える場面はあまりありませんでした。演者の皆さんにとって演じる事はとてもすばらしい事であり、自信を付ける事や自分を表現する事や今までの自分や他人の事を見詰め直すという事に意義があるんだと思いました。ただ見にきたものに何かを伝えるという面で、そこまで意識が及んでいないように感じます。暗転を少なくするというような工夫からも、もう少し舞台が明るくなれば明るく笑えるかもしれませんが。
当つどいへの要望、感想
考え思いは人それぞれなんだけれど、一番大切な事はみんな悩みを持って生きている、一人じゃないって事だと思いました。吃る人はたまたま悩みが吃りになるだけで、そうでない人もいろいろ思いが人に伝わらなかったりとか悩んでいるんですけどね。
青森県むつ市立第二田名部小学校ことばの教室教諭
参加動機
祭りに興味があったので。
演劇「まつり」の感想
人前に立つという事自体、苦手な方が多々いる中で、実生活を演じるという事に拍手を送りたいと思います。祭囃子は私たちが普段何気なく生活している中にも聞こえて来る事があります。囃子に躍らされてしまう事もあるし、「何だそんな事!」と言われるような事で踊れずに抱え込んでしまう事もあります。同んなじだーと思いながら観ていました。
パネルディスカッション、グループディスカッションの感想
吃音に直面して受容するというところから始まるとよく言われますが、その一言の難しさを中高生の声で語ってもらいました。貴重なお話をたくさん伺う事ができました。
ページメニュー
No.1 – 表紙
No.2 – 演劇「まつり」に寄せて
No.3 – パネルディスカッション
No.4 – 参加者の感想