第1回つどい/吃音児を持つ親の集い(1998年5月)
5月31日(日曜)、東京都障害者福祉会館(田町)にて「吃音児を持つ親の集い」を中高校生の集い実行委員会の主催により開催しました。参加者27人(吃音児を持つご両親11人、小学校のことばの教室教員6人、保健所職員1人、言友会から9人)。この集いは昨年夏ごろよりことばの教室の先生方のご協力をいただいて実行委員会を月1回開いて準備を進めていたものです。集いは、会長の綾部氏による言友会の紹介と、「吃音知識基礎講座」から始まりました。続いて、言友会会員の福田世一氏、小枝一子氏、佐藤隆治氏による吃音体験談発表。その後、小学生、中学生、高校生を持つご両親のグループに分かれての話し合いをしました。
グループディスカッション
『小学生グループ』
質問→小学校低学年でそれほど吃音を意識していないが、親としてどういう関わりをしたらよいか。言葉に詰まったときは最後まで言うのを持ったほうが良いか。
応答→子供は吃音があるなしに関わらず、心配なことや欠点などがあっても、丸ごと認め、大切な存在であることを自分自身の中でも確認し、どんなに大切な存在であるかを子供に伝えていく。子供がつっかかって話しているとき、最後まで話すことによって、成就感を味わうから話させた方が良いと思う。子供がつっかかって話しているときの対応は、子供の性格、希望、状況により臨機応変に対応していくのが良いと思う。聞くときは、ゆったりと余裕を持って「お母さん待ってるよ。聞いているよ」という気持ちでゆったり見守って聞いてほしい。
『中学生グループ』 (出された意見)
長男のときは吃音のことはタブーだった。話題から避けていたことがある。次男のときは話している。昔は「どもり」、「どもる」という言葉は絶対、口にしないことと言われてきたが、今は違うみたい。
中学では小学校と違って吃音について知らない。小学校まではことばの教室に行っていたので先生も友達も理解してくれた。友達が吃音のまねをするので、担任の先生に「真似されるのは嫌だ」と言ったら、クラスで取り上げてくれた。
『高校生グループ』 (出された意見)
小学校のとき登校拒否を起こした。そのときは本人が嫌がって、柱にしがみついて抵抗しても無理に行かそうとしていた。中学のとき、言葉を克服しようと頑張った。もともと内向的である。言葉のことを気にするなと言っても頑張った。頑張ることが良いことだと思っていて気を楽にすることできなかった。友達づきあいも悪い。他の人がやっていることと違うことをしたい。自尊心が強いように思う。言葉のことについては誰とも話さない。
感想
- 3人の方の(体験談)発表に感心しました。皆さんしっかり自分を見つめ、頑張って生きていると思いました。息子も参加してお話を聞けると良いと思いました。
- 吃る子供の気持ちがしりたかった。
- ありがとうございました。いろいろな方の話が聞けて良かったです。
- 皆様の生の声を聞かせていただき、ありがとうございました。親御さんはやはり体験談の方や先生に直接質問したりしていたのがわかりました。
- 母親や教師にどうしてもらえるのが一番嬉しいのか。
- 貴重な体験談を伺えて、とても良かったです。
- 親としてどのように接してあげれば良いのか。
- 大変参考になりました。ありがとうございました。
- 親にどうしてほしかったか。どのように吃音を乗り越えられたか。自信を持ってきたきっかけ。吃音と仲良くなれる方法は。
- 親御さんたちの生の声が聞けて良かったです。ことばの教室の先生も良くやっていらして、感激しました。
- 若い人同士の会があればと思います。親子キャンプを企画したらいかがですか。
- このような会があることを知っただけでも、とても心強く思います。
- 差し支えない範囲で先生方、父兄の連絡先を作成していただきたい。
- いろいろなお話を聞いていくうちに、親自身が長所を積極的に生かして前向きに楽観的に生きる姿勢を子供たちに示すことが必要と感じた。